第一楽章

4/16
前へ
/124ページ
次へ
振り返るまでもない。 淳の音―…音楽が聞こえるから。 「バレた?(笑)お前~、始業式バックレただろ!?」 遠野淳(トオノアツシ)。僕の親友。 付き合いは、去年からだけど、今の所一番仲がいい、ウマの合う奴だ。 人懐っこくて、純粋で無垢。何でも信じるし、騙されやすい。 でも、こんな淳だから、僕の事、信じてくれたんだけどね。 「ちょっと…桜見たくて、サボっちゃった。(笑)」 「ふーん、あ、彼女と?」 淳は華音を見る。 「か…彼女じゃないわよぅッッ!!遠野君のバカッッ♪♪♪」 「いてっ」 華音はどこか嬉しそうに、顔を赤らめて淳を叩いた。 「まぁまぁ、仲がいい事で、いいじゃないか。」 「華音と僕はそんなんじゃないって。」 僕も淳の肩を叩いて言った。
/124ページ

最初のコメントを投稿しよう!

30人が本棚に入れています
本棚に追加