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華音の表情が、一瞬暗くなった。
しかしすぐに持ち直して、彼女は「じゃ先に行ってるね♪」と走って廊下を進んだ。
その行き道で何人もの人と挨拶していた。
「いいのかよ。あんな事言って?」
「……華音の事、そんな風に考えた事ないから。」
僕は少しウソをついた。
昔は、華音がすきだった事もあった。
今だって、他のどんな女の子より、すきだ。
でも…
彼氏彼女になってしまえば、今までの関係も壊れるような気がして、僕は踏み込めないでいた。
華音も同じなのか、僕に擦りついて来るけどそれ以上には踏み込んで来ない。
僕達が、彼氏彼女になるには、まだ何か足りないような気がした。
「あ、そういえば、今日、転校生が来るらしいぜ!」
淳は嬉しそうに言った。
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