第一楽章

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僕のこの《チカラ》を知るのは、父と淳だけ。 淳は、僕が他の人と何か違うと言って来た。 最初はケンカを売られたのかと思った。 ハーフの事をからかっているのかと。 しかし、淳は違った。 僕からは、不思議なオーラを感じると言った。 淳も《チカラ》があるのかと尋ねたが、淳のは野性的勘…に近いそうだ。 僕は淳に全てを話した。 バカにされると思ったけど、淳は真剣に聞いてくれ、信じてくれた。 それから僕達は親友と呼べる仲になった。 父とは一緒に暮らしていたけど、母とは会った事はなかった。 だから、有名なマリア・セフィートと聞いても、ぶっちゃけ『ウソだろ』と思った。 歳が重なるにつれて、母に似てきた。 それで、僕も父の言う事を信じた。
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