契約

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ハオは両手を地面に当てて呪文を唱えた。 すると地響きが起こり、獣はバランスを崩した。そのため、腕に抱えていたリオを落としそうになる。 「キャアッ。」 今だ! ハオは手を伸ばしてリオを抱えようとした。 「リオッ!」 その声に気付き、リオも必死に手を伸ばす。 「…ハオッ!ハオ!」 もう少し…というところでそれが叶わなかった。 獣はいつの間にか体勢を立て直し、リオを抱え直した。 そして獣はブンッとハオに手を翳し、結界のような物を張った。 「リオッ!」 叫んで動こうとしても、それ以上近づくことすら出来ない。 (今までだったらさっきの一撃で倒せたのに。)
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