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ハオは雨さえ寄せ付けない激風をそこから感じ、カインが掴んでいなかったらきっと吹き飛ばされていただろう。
すっと風が止まり、終わった?と思った刹那、ハオの右肩に激痛が走った。
「うっあぁぁ…。」
あまりの痛みにカインを握る手に力がこもる。ハオの右肩には朱色の十字架が刻まれた。
(痛い…痛い…っ)
ハオは姿勢を保つことが出来ず、カインの胸元に倒れる。
息を乱すハオにカインは優しく笑った。
「よく我慢したな。これで終わりだ。」
ポンポンと頭を撫でた。その心地よさにハオはだんだん意識を失う。
「リオのことは、俺に任せとけ。」
(…ありがとう。)
心の中で最後にそう呟き、眠りについた。
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