触手

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そして、ハオは露になった右肩の刺青に血をなぞる。 次の瞬間、ハオの目は紅く染まり魔力が次々と回復…いや、元より遥かに上回る魔力が潤った。 (ありえない…。ありえないわ。人間の持つ魔力を優に越えている。) ルルはハオの異変が信じられなかった。 「今去るなら見逃してやる。しかし、またリオに近づくなら容赦しない。」 ハオはルルに再び刃を向ける。その言葉に、ルルは横目でリオに目をやった。 (…このまま手ぶらで帰ったら間違いなく私はキウ様に殺される。やるしかない。…負けるわけにはいかないのよ。弟の仇を取らなくちゃ。)
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