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ある世界に 自分探しをしている少年がいた
少年の名は アオイ
アオイは とぼとぼ歩く
自分を見つけたくて歩く
そんなある日のこと
森を歩くアオイ
"ドテッ"
何かに躓くアオイ
『大丈夫?』
アオイに差し伸べられる手
その手をとるアオイ
『大丈夫です』
『そっか。よかった。』
"ザク ザク"
土を掘る音…
アオイに手を差し伸べた人が地面を掘っていた。
『何をしてるの?』
『宝石を探しているのさ』
『宝石?』
よく見ると その人のカバンにはたくさんのキラキラした宝石が入っていた
『スゴいね…』
『君も 持ってるだろ』
『えっ…』
『カバン見てみなよ』
自分のカバンを見るアオイ
中には小石が入っていた
ゴツゴツと汚れた小石
『なっ、君も持っていたろ』
『でも 君のみたく綺麗じゃない』
『当たり前じゃないか。どんな宝石だって最初から綺麗なわけないよ。どんなのも磨かなきゃ綺麗にならない。宝石も人間も、磨かなきゃ。磨いてこそ味が出るんだ。人間で言うと【自分】だな』
『自分…』
アオイは気がついた
この小石は自分なんだと
自分は自分を磨かず探してばかりいた
自分探しの答えはこんなに近くにあったのだ…
自分探しは自分を磨く事
自分を見る事
だったのだ
どんなに綺麗な宝石だって
最初は土の中の小石
どんなに汚れた小石でも
磨けば綺麗になる
どんなモノも磨き次第
人間も
宝石も
磨き方一つで変わる
さぁ、一緒に磨こう
君の原石を…
終わり
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