第三子

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嘘の用事を作り、小さな次男を実家に預け産婦人科へ。   病院へ向かう車の中、カセットから流れる桂銀淑の「すずめの涙」 聞きながら、ハンドルを握る私の目からも涙が溢れた。     重い気持ちで産婦人科のドアを開く。   待合室には、沢山の妊婦たちが大きなお腹を抱え、幸せそうに、誇らしそうに座っている。   私もかつてはあぁだった。   でも今日は目的が違う。   惨めで悲しかった。
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