第二話 申し遅れました。私、魔王の娘の父の魔王、と申します。

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「チーたん。魔王さんは一体どうしたんだ? 何かに怯えているようにしか見えないんだが……それとも何か? 未だ変身しか見たことの無い魔法とやらで男の大事な部分をつぶしたのか?」   「チーたんと呼ぶなロリコン。お前は僕をどういう目で見ているのだ? それと……あれはママの怒りに怯えているんだ。全く。魔界の王が妻に虐げられていてどうするのだ」   ふむ。全くだ。   俺はあまりファンタジー系のゲームをやったことがないが、今ならコレだけは言える。   どのゲームの魔王よりも可哀想な魔王であると。     「ロリコンではなく伊藤だ。なるほど。で、チーたんよ。魔王の嫁とは一体どんな人なんだ? とても興味深いんだ」   「近づくなロリコン。汚れる。ふむ……そうだな。ママは一言で言うなら、堕天使だ」   「堕天使? 天使のおちこぼれって奴か?」   「ママの場合は違う、が。今はそういうことにしておこう。面倒だ。説明が」   自分の母親のことを説明するのも面倒くさいのか?   そんな事はどうでもいいらしく、それよりも、このガクブルし続けている情けなさランキング第一位に抜粋されそうな勢いの駄目親父魔王サタンをどうにかしたいらしい。   俺個人の意見としては、さっさと帰れ。お前ら。
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