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「うぅむ。人間界にもアイスがあるとは……」
「美味しかったか?」
「ふ、ふん。アイスごときで僕を手なずけられると思ったんだろうがそうはいかないぞ」
ミルクを飲んで人間の形になったのはお腹が満たされて魔力が回復したからだそうで。
何故魔力がなくなると子猫になるのかは教えてくれなかった。
そもそも魔力ってなんだ?
気にはなったが、話を進めるためにあえてそれは聞かなかった。
どうしてそうなったのかと言うと、魔王のおやつをつまみ食いしたからだそうだ。
魔王って誰よ。そしてどうやらこの小娘は悪戯っ子らしい。
「パパは世間体というものを気にしないからな。娘を溺愛しすぎる」
パパと言うのは、魔王のことらしい。
魔王って誰よ。そしてどうやらこの小娘は魔王の娘らしい。
「いつでもどこでもべたべたくっついてくる。娘の前でも魔王としての威厳を保って欲しいものだ」
この小娘の父上殿は重度の親馬鹿らしい。
まぁ、親なんてどこの世界でもそういうものなんだろうが。
「そしてパパは親馬鹿であると同時に大人げない。たかがショートケーキに乗っているイチゴをつまんだだけだというのに、溺愛しているはずの僕を人間界に送り込んだのだ」
魔王さん。あんた、大人げなさ過ぎる。
たかが一個のイチゴの為に俺はこの小娘を介抱してやる羽目になったのか。
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