第一話 僕は魔王の娘だ。だからお前は僕に忠誠を尽くすべきだ。

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体が小娘になった魔王の娘、名前は「チーク・バッファエール・アンデス・サントクロス・サタン・ミルキーウェイ」。   想像以上にくそ長い。   もうどれが本名なのか、名字がどれなのか、区別するのさえ面倒くさいだろう。   とりあえず大臣(と呼ばれる人物(?)がいるらしい)は総称して魔王サタンと呼んでいるらしい。   大臣は全然総称出来ていないことに気がついていないのだろうか?   そして何故天の川(ミルキーウェイ)が名前の最後にあるんだ?   「趣味らしい。と言うよりパパは織姫に恋しているようだ。だから何時もママの雷鳴が魔王城の周りに落ちている。当然パパは黒こげだ。ゴミのように落ちている」   魔王が自分の城の横で黒焦げになっているところなんて想像も出来ないぞ。   そして俺はあんな長ったらしい名前を一発で覚えられるわけが無く。   チー(ありえないぐらい長いので省略)本人もこんな長ったらしい、しかも女ではなく男っぽい名前をつけられたことに対して怒りを覚えていた。   「名前を自分の好きな言葉をただ並べるだけで決めるなんて許せることじゃないだろう」    当然だろう。   もう、親馬鹿のなのかただの馬鹿なのか紙一重ですよ魔王さん。   「ただ、チークという名は気に入っているぞ。自分でも呼びやすいし他の下っ端も呼びやすいらしい。ただチーたんと言うのは勘弁ならん。全く、子ども扱いはやめて欲しいものだ」   どう見ても子供ですよ。幼女ですよ。     「チーたん」   「黙れロリコン伊藤。貴様はやはりロリコンなのか?」   「出会って間もない赤の他人の子供をたん付けで呼ぶ? 仮にも僕は魔王の娘だ。様をつけろ様を!」   「それにしても、僕をこんなところに連れてくるなんて、白昼堂々誘拐でもする気なのかお前は。あきれて溜め息も出ないぞ」   「全く、いつの間にいれたんだ。お菓子は一個までです。カートの中にこっそりと二個も入れるんじゃありません!」   「どっちも欲しいのー。買ってー」
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