157人が本棚に入れています
本棚に追加
周りは洋一をなだめながら話しを進めようとする。
「大丈夫だよ、似てるだけの殺人事件なんだから」
「そうそう!たまたま噂に似てるだけだし、探しに行く訳じゃないから~」
洋一に聞かせようと周り全員でごまかし始める。
「博さんも大丈夫って言ってやって下さいよ~」
洋一は博士を見た。
「……」
「ほらぁー!博さん何も答えないって事はヤバイって事じゃないですかー!」
天宮博士(あまみやひろし)21才。大学四年生。洋一がもっとも尊敬している先輩。霊感はあるが、人が嫌いなので滅多に除霊をしない。
「……」
「誰だって死ぬ時は死ぬさ…」
ボソッと博士が言った言葉に洋一が食いつく。
「マジ!?」
「そんなヤバイんですか…?」
「……」
「はい!終わり!この話し終わり~」
洋一は両腕で大きく手を振り、話しを終わらせようとした。
「くく…」
「うはははぁ!」
一斉に周りが笑いだした。
「流石ぁ博さん!うまいなぁ~」
周りは腹を抱えて笑っていた。
「いやぁ博さんが一番役者だね!」
洋一は唖然としながら周りを見ている。
「トドメに無言で終わらせられるんだもん」
周りが笑う中、博士だけは笑っていない事を誰ひとり気づいていなかった。
「……」
「またやられた…」
洋一は力が抜けた感じで立ち上がった。
「どうした?」
周りのメンバーが笑いながら声をかける。
「トイレ…」
洋一は肩を落としトイレへに向かう。
「元気だせよ~恒例行事!恒例行事!」
周りは洋一姿を見て笑いながら声をかけるだけだった。
最初のコメントを投稿しよう!