出会い

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病院に到着すると そのおばあちゃんは すぐにどこかの処置室に運ばれた。 私は、とりあえずその部屋の前にある長いすに腰を下ろす。 しばらく経って、 そのおばあちゃんは 病室に移動された。 「もう落ち着きましたよ。 びっくりしたでしょう。 おばあちゃんは大丈夫だからね。」 看護婦さんに促されて 病室へと入る。 病室は個室になっていて、 とても広かった。 私は、とりあえず おばあちゃんの近くにある 丸椅子に座って おばあちゃんを見ていた。 おばあちゃんの右手が動いた ような気がしたので、 思わずその手をしっかり握ると、 おばあちゃんは目を開けた。 酸素マスクをしているので 上手く話せないようだが、 おばあちゃんは私を見ている。 「あの、大丈夫ですか? ここは病院です。 あの、私、バラ園を覗いていたら、倒れてたのが見えて ・・・」 私は、自分でも何を言っているのか分からなかったが そのおばあちゃんにに向かって一生懸命、説明をした。 おばあちゃんは頷くと 少し、笑ってくれたような気がした。
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