104人が本棚に入れています
本棚に追加
茶髪の少年は、足を止めた。
それなりに大きな歩道だが、人も多く、混雑している。
その歩道の中央で、足を止めたために、すれ違う際に、迷惑そうな顔を学生たちが向けてくるが、彼は気にしていない。
足を止め、騒がしい雑踏の中で
彼は、とある施設
とある実験について考える。
(「自分だけの現実(パーソナルリアリティ)」の最適化か……
三回の奇跡で助かるってのは
まぁ、強運ってか、悪運が強いっていうか……)
あの三人の歩いていった方向を見てみる。
彼らの姿は、既に騒がしい雑踏に紛れた後だった。
「まぁ、アイツも待ってるし
帰るとしますか……」
茶髪の少年は、金髪ショートへアの少女を思い、呟いた。
優しげな笑みを、僅か浮かべて。
最初のコメントを投稿しよう!