黒と白の狭間で…

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えみは何も言えないまま電話を切り…ペタン、と座り込んだ。 何も言えない…愛してるとも、他の女と仲良くしないで欲しいことも…自分が一緒に旅行に行きたいということも…それはえみが浮気をしたからで、悪いのはえみなのだが、わかっているからこそ自分を傷付けたくなった。やっぱり…私みたいな汚れた女には、彼は似合わない…私みたいな真っ黒な女じゃなくて、彼と同じように真っ白な女(ひと)が似合うよね… 何も…何も言えなかった。どうする事も出来ないえみの頬を涙がつたった。 それから一週間が経ったある日。寛人は衝撃的なことを電話で言ってきた。
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