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翌朝、二人は朝から部屋に付いている足の付いた可愛らしいお風呂に入っていた。
「楽しかったね」
寛人が微笑む。
「うん。凄い幸せな時間だった。」
えみもにっこり微笑んだ。
「また来ようか…」
「え?」
えみはドキッとしたが、寛人は涼しい顔をして、歌など歌っている。何を考えているのか、よくわからない寛人を見ながら、えみはお風呂に体を沈めた。
すっかり旅行を堪能した二人は、お昼過ぎにはそこを立った。
「また行きたいな…」
ぼんやりしながら、えみはさっき寛人が言ったのと同じ台詞を言っていた。
「そうだねぇ…」
と、どちらともつかない返事が返ってきた。えみは少し落ち込んだ。
(やっぱり無理なのかな…)
もう二度と、こんな楽しい時間は過ごせないかもしれないと思うと、えみは本当は夢だったのかもしれないと、半ば本気で思った。
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