迷走

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お正月の実家回りも終わり、疲労とモヤモヤがやっと消え去った1月半ば、えみは寛人と会っていた。 「お前、俺に隠してる事ない?」 突然寛人が聞いてきた。 「は?別になんもないよ。」 「嘘だ。何か隠してるだろ?」 戸惑いを押し殺そうとするえみに、寛人が言った。 「…」 言うべきか、えみは悩んだ。 「実は…」 えみは正直に拓海のことを話した。 「それで?」 「え?」 「えみはどうしたいの?」 「…」 突然の直球だった。えみ自身も、拓海にどう接したらいいのか、悩んでいた。 「わかんない…」 えみは正直に答えた…つもりだった。 「俺に隠そうとするってことは、まんざらでもないんじゃない?」 と寛人は無表情のまま言った。 「!」 えみは、正直傷ついた。
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