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好きな人から「他のヤツが好きなんじゃ?」みたいなことを言われたら、女の子だったら多分普通に傷付くと思うのだが、それを無表情で淡々と言われたえみは、尚更…いや、心底腹が立った。
「そうね。彼優しいし、愛してくれるし、彼といると楽だもん。」
えみは自分でも思いがけないことを口走っていた。
「それに私と結婚したいって言ってくれたし♪」
ぶっちゃけ、えみはもう終わりだと思った。寛人はえみに一度も「結婚しよう」とは言ってくれなかったし、だからこそえみも離婚に踏切れないでいた。しかし、もうあの旦那様と一緒にいるのは限界だな、とえみは思っていたのだ。えみは本気で離婚を考えていた。旦那様は本当に良い人で、えみを心から愛してくれたが、それだけでは一生一緒には居られないのだと、えみは思い始めていた。
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