双子という罪

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「綾音」 「なぁに?」 「好きだ」 「……うん、私も」 好きだよ。 大好き。 「綾音」 「……ん?」 「愛してる」 「うん……私も」 ――愛してる。 貴方だけを、ずっと。 いつものように情事の後、互いの指を絡ませ愛の言葉を囁く私達。 けれど決して私達が結ばれる事は無いし、ありえない……そう断言できる。 ――何故なら、 「……リク」 「――ん?」 「……夜が、明けたよ」 「…………」 「……起きなきゃ」 「……そうだな」 窓辺のカーテンの隙間から差し込む朝陽の光が少し眩しくて手を目元にやりながら私が放った次の言葉。 ――それは、 「おはよう」 『お兄ちゃん』 「――っ、おは、よう……綾音」 そう、決して私達は結ばれる事なんかありえない。 だって私は、 私達は、 正真正銘、双子の、 『兄妹』 ……なんだから。 (嗚呼、どんなに血の連鎖と繋がりを怨み憎んだ事か――…) .
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