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「……熱っぽい」
「は?大丈夫かよ」
朝、一緒に起きたまでは良かったものの制服に着替えて二階から降りてきた後、綾音に異変が現れた。
目は虚ろだし涙ぐんだように目尻に涙が浮かんでる。
おまけに顔は真っ赤だし息は荒いし、すっげー色っぽい……つーか昨日あんだけシた筈なのに、また襲いたくなる。
……じゃねぇ。
「んな事思ってる場合じゃねぇな……どれ」
「……う゛ー」
うまく力が入らないのかフラフラとしながら借りてきた猫のように大人しく俺の前のソファーに座り込んでしまった綾音。
そんな綾音の額に俺の額をくっつけてみた……までは良かったんだけど……。
「う、熱っチィ!?」
「……ちょ、リク大丈夫?」
「や、俺は大丈夫だけど……」
突然飛び退いた俺を潤んだ目で心配して来る綾音。
そんな綾音の熱は相当、高熱だったらしく額を合わせた俺は、あまりの熱さに思わず口元をヒクつかせちまった。
「綾音……お前、熱ヤバイんじゃねぇ?」
「んー……かも」
「とりあえず学校には休みの連絡入れといてやるから休んどけよ」
「ん、そーする……ありがと」
生憎、というか幸いと言うか両親は久々に休暇が取れたとかで旅行に行ってて今は不在。
「綾音」
「んー……?」
「俺も学校、休むから」
「……へ!?」
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