発熱注意報

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「誰も居ないんだし病人の、お前一人にしておく訳にもいかないだろ?」 「――…でも、リクだって部活あるのに迷惑かかっちゃうんじゃ」 「あのなぁ……今日くらい休んだ所でレギュラーの座脅かされる程、俺は弱くないぜ?」 「や、そういう事じゃなくて」 「……例え違う意味でも問題ないっての。一日様子見て治らなかった病院行けば良いし今日くらい傍に居てやりたいんだよ……俺が」 あー……なんか照れる……!! 自分らしくねぇ……てか、こんなキャラ、柄じゃないだろ俺。 「……リク、ありがと」 「~~っ、いいからとっとと寝ろ!」 「ふふっ、はーい」 急に恥ずかしくなって照れる俺とは真逆にニコニコと笑いかけて来る綾音。 そんな綾音を可愛いと、何よりも誰よりも愛しいと思う。 「……重傷だな」 「ん?何か言った?」 「いや、何も。ホラ早く部屋戻るぞ」 「あ、うん」 そんな、やりとりをしながらも照れた顔を見られないよう俺は綾音の手の指に自分の指を絡ませて腕を引くと綾音の部屋まで先を歩き続けた。 まぁ、そんな俺の後ろで熱で顔を真っ赤にさせあままの綾音がクスクスと笑っていたのは聞こえないフリって事にしとくか。 (暖かい、暖かいキミの手は熱の所為?それとも――…) .
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