白髪のオズ

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「私もこの場所が好きだ。…だが、鍵を外しての不法侵入はいくらオズでも見逃せないな」 カレンは優しい口調で言った。 「すみません。次の時間から授業に出ます」 「いや、今日だけは甘く見る」 ジルベールがオズとなったのは一年前で、オズとなった今、実際もう授業で習うことはそうない。 「先生。今回のオズは永くもたなそうよ」 「…ジルベール」 カレンが心配そうに顔を覗きこみ、なんと声を掛けていいか迷った。 「オズとして失格ですね。沢山仕事もやり残して」 ジルベールはフフ、と悲しそうに笑った。 ガシャーン。
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