君といるだけで

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    「ね、田中君!これなんてどう思う?」   そう言ってかわいらしい人形を俺に見せては、眩しいくらいの笑顔でそう聞いてくる田村。   「あー…うん…いいと思う…」   「でもね、これもいいかなぁ…って。」   (結構優柔不断なんだな…)   そんな事を考えながらボーッと田村を見つめる。     え? 何でこんな事になっているのかって?       それは1週間前の事…       「田中君!」   昼休み。   俺達はいつも屋上で飯を食べている。     だけど今まで田村一人で俺を迎えに来た事なんてなかった。     しかもこんなに急いで…   「どうしたんだ?」   「お願いがあるの!」   田村の願い…?     しかも、俺に頼む事って一体何だ…?   「願いって何だよ。」   「あのね、実はもうすぐ僕の妹の誕生日なんだけど…何を選んだらいいのかよくわからなくて…」   なるほど…   その誕生日プレゼントを選ぶのを手伝って欲しい…って事か…     ん…?   でも何で俺なんだ?     普通、川村とか…ああいう奴の方が、女の子の好きな物をわかってそうだけど…       .
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