~始まり~

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おれは一瞬目を疑った。 デジタル時計の点滅が止まっている。 さっきまで騒音が聞こえた外も、何も聞こえない。 慌ててベランダに出ると、カラスが2羽空中で止まっている。 「だから…選ばレタ…ノ……」 声に気付き後ろを振り返る。 「どこだよ、どこにいるんだよ!」 「シンジテ…」 部屋を見渡す。 「なぁ、なんなんだよ!」 「アナタハ…」 ―…パリーン 頭の中で小さく何かが弾けた音が聞こえた。 破片が神経の隅々まで流れていくような感覚。 おれはそのまま意識を失った。
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