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松下の鞄や書類が辺りに散らばった。
「いやっ…、たすけ…」
― ド チ ャ ッ ―
殴った衝撃で生暖かい血液が飛び散る。
松下の言葉は俺の拳で遮られた。
助けて欲しいのは俺の方だ。
松下の胸ぐらを掴み、少し上体を浮かせた。
彼女の顔は鼻血と涙でグチャグチャに濡れている。
鼻が曲がっている、折れたんだろう。
俺はそのグチャグチャになった顔面を鷲掴みにして、思いっ切りアスファルトに叩き付けた。
ゴキッ、というような、
グチャッ、というような…
何とも言えない鈍い衝撃音がした。
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