4人が本棚に入れています
本棚に追加
「起きろ!秀吉!」
「…ん?ここは…」
「船の上だよ…秀吉」
秀吉が回りを見渡すと
そこは見慣れた
軍船の中の一室
「半兵衛…俺は…何を」
「夢を見ていただけだよ…秀吉」
そういう半兵衛は
秀吉の夢の中にいた
病弱で起き上がれない
半兵衛ではない
少しばかり線が細いが
凛とした中にも迫力のある
いつもの半兵衛
込み上げる物が
秀吉をつき動かす
ガバッ
「何っ?秀吉…」
「半兵衛…しばらく…このままで………いさせてくれ…」
秀吉は半兵衛を抱き寄せ
静かに慟哭していた
秀吉の思いを感じた半兵衛は
秀吉の背中にそっと手を回す
「お前は…俺の…」
そう言いかける秀吉の口に
半兵衛はそっと人差し指をあてる
「いいよ…何もいわないで…わかるから」
「僕は…君の為に…生きるからね…心配しなくていいよ」
二人は
ひしと抱き合う
抱き合う中で
二人は
友を超えた友の絆を
互いの体温を
互いの温もりを
感じる事で
再確認するのだった
おしまい
最初のコメントを投稿しよう!