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じりりりりりりりりりり── 春風がそよぐ、我が愛しの朝に邪魔な雑音が鳴り響く。 詩姫(シキ)姉、また勝手に五月蝿いやつにかえやがったな……。 嫌々ながら目覚まし時計に手を伸ばし、目覚ましを止めると再び俺は布団に潜り込む。 幾ら春と言っても、やっぱり朝はまだ寒い。 正直、動く気にならない。なれるわけがない。 「結(ユウ)くぅーん、寝てたら遅刻しちゃうよ~? 始業式から遅刻は流石にいけないよ~?」 「あと5分…」 俺以外の声が聞こえ、反射的に言葉を返す。 「結くんそれ、毎日言ってる。ほらほら起きて、一緒に学校行こうよっ」 そして、俺は布団の中から引き摺り出された。
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