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今日は12月下旬のクリスマスイヴ
場所は私達が始めて出会った公園
雪が降る夜の中、私と英二は誰もいないそこでブランコに腰掛けていた
ブランコの傍らに立つひとつの外灯が、雪と私達の周りをボウッと優しく照らしている
会話もせずお互いに黙り込み、ギィ…というブランコの金属音だけが小さく聞こえる
すると突然英二は立ち上がって私に向き合い、凄く真剣な眼差しで口をひらいた
「…メリークリスマス……レナ」
「へ?あっ、うん。メリークリスマス、英二」
突然言われたので私は少し戸惑った
「実は今日、レナにどうしても渡したい物があるんだ…」
英二はそう言うと、コートのポケットから紫色の小さな箱を取り出して私に差し出した
「クリスマスプレゼント、何をあげればいいか俺ずっと考えたんだ…。それで、これに決めたんだ…」
……?どうしたんだろう?
なんかいつもの英二と雰囲気が違う…
すると英二は真剣な眼差しで私を見つめたまま、パカッとその箱を開いた
「……俺と、結婚してくれレナ」
「……ふぇっ?…えぇぇぇぇぇぇぇえ?!」
私は心臓が張り裂けるくらい驚いた
なんと箱の中にはキラリと光り輝く小さな指輪が入っていたのだ
「えええぇぇ!?そそ、そんな急に…言わわわ…」
私は両手で爆発しそうな頬を覆った。寒いはずなのにどんどん体がほてっていく
「それともう一つ、プレゼントがあるんだ…」
英二はそう言うと、目を閉じて顔を私に近づけてきた
「えぇ?!ちょっと待って!?まだ心の準備がーッ…!」
……
…
ピピピピピ!
アラームの高い音が連続して鳴り響く
英二が退院して学校に復活する日の朝
私は顔を真っ赤にした状態で、自分のベッドの上でパチッと目を覚ました
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