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「やっぱり恥ずかしすぎる!」
私はタオルで真っ赤な顔を隠しながら叫んだ
そりゃあ、あの時は毎日学校に英二がいなくて寂しくて、英二が退院してくれて凄く嬉しくなって…つい言っちゃったけど……
「だだ、だからってあんな面と向かって、だだ、大好きだなんて」
そっ、そりゃあ、恋人同士になってからは、前より少しは自分の気持ちを素直に言えるようになったわよ!
でもっ!
「やっぱり恥ずかしすぎるじゃないのっ!もうっ、私のカバカバカバッ!」
そう言って私はポカポカと自分の頭を何度もぶった
「…………」
でも少し素直になれたとかじゃダメだ…
私は英二に出会って、人を好きになる気持ちを知る事ができた。
そしてその気持ちはとても素敵なんだって事も知った…。
私はそのっ……英二の事が大好きだ。
英二も私のことを好きだと言ってくれた…
なら私はその気持ちに、ちゃんと答えなきゃダメだ…。
だからこれからはツンツンなんてしないでもっと素直に…
積極的に変わらなきゃ……
でも例えばどうすればいいのだろう?
どう気持ちを伝えればいいのだろう?
私は洗面台の前で立ち尽くしたまま妄想してみた。
『え~い~じ!』
甘ったるい声のトーンで私は英二に思い切り抱き着く
『うわっなんだよ急に!?』
『えへへ……』
『…なんだよ?ニヤニヤして』
『あのねっえいじ…!わたし英二のこと、だーいっすき!だからね、絶対に私の前からいなくならないでね?』
………
……
…
ガンガンガンッ!
妄想しすぎに堪えられなくなり、私は壁に何度も頭を打ち付けた
「なにしてるの?」
「ヒゃあ!?」
そんなことをしていると突然背後からお母さんに声をかけられ、私はビクッ!と背筋を震わせた
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