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翌朝…。
安堵の温もりの中でウォアは目を覚ました。
きょろきょろと見渡す。
リビングのソファーの上で体には毛布がかかっていた。床には自分用のエサやミルクが置いてあり、そばではニイニが優しく微笑む…。
「どうしたの? 不思議そうな顔して…」
ニイニは、すたっとソファーを下りた。
「お腹すいてない? トモちゃん、置いてってくれたよ」
体はすっかり綺麗になっており、あちこちにある細かい擦り傷にも薬が塗ってあった。
「僕はどうして…?」
「覚えてないの? ウォア、来た途端に動かなくなっちゃって…トモちゃんに洗ってもらってる間も全然起きなくて…あたし、死んじゃったのかと……」
ニイニは下を向く。
ウォアはソファーをトンと下り、ニイニに鼻をこすりつける。
「ごめん、ニイニ。僕、ここ2日くらい記憶がとぎれとぎれで…」
「とぎれとぎれ?」
「うん…。ぼ、僕のわがままのせいで…」
ウォアは恐怖でとぎれた記憶をニイニに出来るだけ話した…。
ニイニはしばらく沈黙していたが、小さな声でゆっくり話した。
「そう…。大丈夫よ、ウォア。小鳥さんはきっと元気よ…生きてるに決まってる…そう、信じなきゃ」
「そうだね。ありがとう、ニイニ」
2匹は食事を始めた。
「あれ? ニイニ、今日のリボンは緑と赤のシマシマだね。それに小さな鈴もついてる…」
「うん、クリスマスだからね」
「クリスマス?」
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