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「よく晴れた日にかご越しに空を眺めてるとね…。“あたし、何してるんだろう…鳥なのにはばたきもせず…”って気持ちになるの」
「全然、外へ出してもらえなかったの?」
「ううん、小屋を掃除する時は飛び廻ってたわ。…屋根のある部屋の中をね」
小鳥は淋しそうにつぶやいた。
「あたしは店生まれ。そのまま人のトコで育って…。高い空を飛びたい。広い空を飛びたい」
小鳥は空を仰いだ。
まだひと雨来そうな曇り空。
ウォアには雲が空の檻に見えた…。
しばらくして…
また冷たい雨が降ってきた。まるで檻の中で泣いている小鳥のよう。
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