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揺れる車の荷台の檻の中で、ウォアは茫然としていた。
いったい、自分に何が起きているのかわからない。
自分が何をしたと言うのか…。
気づくと小鳥がいない。
逃げたかな?
捕まってないコトを願った。
車は音を立て止まった。
たくさんの檻がある。いろいろな動物の悲痛な声がしていた。
“僕はこのまま…”
ウォアは真っ暗な空を見上げ…涙が止まらなかった…。
どれくらいたっただろう…。
カチャカチャ…。
何やら金属音らしい音でウォアは目を覚ました。
「ウォア」
檻を覗き込んでいたのは…まぎれもない、あのセキセイインコだった。
「鳥さん!」
「ここにいたら薬で殺されてしまうわ」
「そんな…!?」
小鳥は留め金を外した。
檻の野良猫達はバタバタと逃げ出した。
鳴き声に人間達が気づいたのか、近くの小屋から声がしている。
「早く! ウォア!」
「うん!!」
キンッッ!!
飛び出した途端、何かに引っ張られたと思った…と、同時に毛がバサリとたれた。
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