【聖夜】

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 どこをどう走ったか覚えていない…。      朝…。 ウォアはどこかの家の庭先に疲れて眠り込んでいた。人の気配で目を覚まし、急いでその庭から抜け出した。    また宛てもなく走る。逃げてるのか、向かってるのか…ウォアにはもうわからなくなっていた。 いつも束ねていた毛にひっかかり、何度も転んだ。こんなに邪魔だとは思わなかった…。   とぼとぼと歩きながらウォアは考え込んでいた。    “何も出来ない”  “何をしていいかわからない”  “役に立たない”   ウォアの頭の中にいろいろな言葉が飛びかい…     何ひとつしないまま一日が過ぎた。    夜…。 また冷たい雨が降り、更にウォアを打ちのめす…。  
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