第1話 “勇者”の事情

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「そ、そんなコトないですよぅ! ―――あっ!カケルにギン!おはよう!!」 「「おはよう………」」 そこに、階段から疲労全開の表情、カケルとギンが下りてくる。 「おはよう♥ カケルちゃんにギンちゃん………どうしたの?寝れなかったのかしら?」 ビビが心配する。 カケルとギンは力無く笑った。 「いや、ちょっと“勇者”と枕投げを………」 「ああ。しかしあれは枕投げと呼べる代物じゃなかったでござる………」 カケルとギンはそんなコトをぼやきながら、カケルはアルシェの横に座った。ギンはカケルの横に座る。  ここで、改めて主人公とその仲間達を紹介しよう。 「大体さ!なんで枕が一個も当たんないんだよ! しかも“勇者”は余裕で楽しんでたしよ………。」  この黒髪の寝癖が酷い少年の名は、秋空 駆(アキゾラ カケル)。 この物語の主人公であり、多分、被害者。 真っ赤な神具の籠手『ガントレット』に導かれて、意味不明に異世界に飛ばされた少年。 神獣の能力は『衝撃?』で、『神具:ガントレット』の適合者。 魔力がゼロで、魔法が使えない不憫な主人公。 ちなみに地震恐怖症である。
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