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「なあなあ!………もしかして貴族かもよ!」
「バカヤロ。貴族がこんな時間に山奥にいるかよ。」
俺はそう言うと、もう一人の仲間も、
「でも………金持ってそうだよなぁ。」
と、若干興奮気味にぼやいた。
黒づくめの男はどんどん俺達の隠れている草村の茂みに近づく。
その姿は何かの威圧を感じた。
堂々とした“王”の風格。
俺は直感だが、脳裏に言葉がよぎる。
(こいつは、危険だ!!)
「おい!………こいつはヤバい感じがする………。」
俺は仲間二人に告げた。
本当に危ない気がした。
でも、仲間二人は声を殺して俺を嘲笑う。
「くくっ!お前も臆病になったもんだ!
―――いいか?貴族だったら身ぐるみ剥ぐだけじゃねぇ!
人質取って俺達ゃ大金持ちだ!」
「そうだよな!
………大チャンスじゃねぇか?!」
………ダメだ。二人共乗り気だぁ………。
黒づくめの男もガンガン近づいてくる。
すると、仲間二人は立ち上がる。
「てめぇがやる気無いなら………そこで見てな。」
「そうだな。」
「いや!ホント………嫌な感じがすんだよ!」
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