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「………なぁ頼むよ?」
「頼む!この通り!!」
「……………。」
黒づくめの男は一向にだんまり。
さすがの二人も、いらついてきている様子だ。
「なァ?おい。聞いてる?」
「大丈夫!金なら絶対返すから!」
「……………。」
「何か言えよ………。」
二人の口調が次第に強くなる。
ほら………ヤバい感じしてきたじゃねーかよ。
するとその時。
黒づくめの男が。
凛とした声色で、口を初めて開いた。
その第一声とは、
「我は“人”ではない」
それは不思議な第一声だった。
俺と二人は目を丸くする。
二人は慌てて、
「そ、そうだとも!
俺達にとっちゃ神様だよ!あんたは!」
「そ、そうそう!救いの神様!!」
「救いの神?それも違う。」
声のトーンを一定に、感情入れずに黒づくめの男は続けた。
「我は“闇”だ。
うごめく希望。」
暫しの沈黙。
二人は意味不明な発言に戸惑っていた。
無論、俺も
戸惑っていた。
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