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「なぁに?」
裕兎が俺に近づいて来る。
「龍夜?どうし…のわっ!」
俺は裕兎の持っていたピコピコハンマーをおもいっきり引っ張った。
その拍子に裕兎がバランスを崩し、俺の胸にダイブした。
「~っ龍夜!いったいなんなのさぁ!ったく痛いなぁ、もー」
どうやらバランスを崩した時に膝をぶつけたらしい。
俺は裕兎の頭を優しく撫でた。
気持ちよさそうに裕兎の体から力が抜け、俺に体重をかけてくる。
こいつ…また軽くなりやがった。
「龍ぅ夜ぁ?学校ぉ…遅れちゃうよぉ?」
力のない声を発しながら、俺を見上げてくる。
さっき膝をぶつけたからだろう…目は涙目で、撫でられているのがよほど気持ちいいのか、うっとりとしていた。
……俺が理性を保つのがうまいとでも、思ってんのかコイツは?
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