一。

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「なぁに?」 裕兎が俺に近づいて来る。 「龍夜?どうし…のわっ!」 俺は裕兎の持っていたピコピコハンマーをおもいっきり引っ張った。 その拍子に裕兎がバランスを崩し、俺の胸にダイブした。 「~っ龍夜!いったいなんなのさぁ!ったく痛いなぁ、もー」 どうやらバランスを崩した時に膝をぶつけたらしい。 俺は裕兎の頭を優しく撫でた。 気持ちよさそうに裕兎の体から力が抜け、俺に体重をかけてくる。 こいつ…また軽くなりやがった。 「龍ぅ夜ぁ?学校ぉ…遅れちゃうよぉ?」 力のない声を発しながら、俺を見上げてくる。 さっき膝をぶつけたからだろう…目は涙目で、撫でられているのがよほど気持ちいいのか、うっとりとしていた。 ……俺が理性を保つのがうまいとでも、思ってんのかコイツは?
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