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あの頃、僕の両親は離婚調停中でした。 どちらとも入園式に来てくれませんでした。 淋しくて、淋しくて泣いていた僕に君が手を差しのべてくれました。 『一緒に行こう?』 にかっ。 白い歯を見せて、太陽の様に眩しい笑顔でした。 なかなか手をとることが出来ない僕を怒りもせずに待ってくれて、僕には神様に見えました。 君が居てくれたから、僕は一人でも楽しく入園式を迎える事が出来ました。 あの時、君が居なければ僕は、ずっといい思い出のないまま幼稚園に通うようになったでしょう。
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