別れへの…

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うちの学校は…他の学校の事は知らないけど ―下校の当番というのがある 下校時の挨拶当番の様なものだ月曜日が一年の先生で火曜日は二年の先生…土曜は六年の先生だ 柏木先生と隣のクラスの藤井先生が並んでいる いつも生徒全員が教室を出るまで教室で待っている先生がそそくさと出ていったのは土曜日で当番があるからだ 俺はぼーっと柏木先生達のいる校門を横切る 「暗いから気を付けて帰るのよ」 柏木先生が俺たちの方を向いて校門を出た俺たちに声をかける すると大将が 「ハイ」 「先生さようなら」 挨拶する 俺は黙って頭だけ軽く下げる 先生は校門を抜けた俺たちを見送ると また学校の方に向き直り校門を抜けていく生徒たちに声をかけていく 俺はその様子を見ると前を向き大将と一緒に帰り道を歩く しばらく歩くと…大体、学校と家との間位の場所で大将が口を開く 「なぁ道徳の時間の話だけど…」 「んー?」 俺は適当な返事をする 「お前は“適当に”って言ったけどさ」 …やっぱりこの話だ
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