別れへの…

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そんなことを考えてるうちにうとうとしてきてしまった 目を閉じないように頑張ってみたけど無駄な抵抗だったみたいだ…   眩しくて目を開ける 俺の部屋は西向きなので夕方には強い日が差し込んでくる やはりあのまま寝てしまったみたいだ 俺は体を起こすと寝ぼけた目で時計を見る …四時半を過ぎていた 三時間以上も眠ってしまったらしい このまま眠っていたかったけれどそれだと冬休みで狂った生活リズムのままになってしまうので西日の差し込む窓を開ける 窓からは冷たい空気が入ってくる 軽く深呼吸して窓から外を眺める 日も傾いてきていて外は寒い…道を歩く人はいない 俺はこの世に自分一人しかいないような気がして少し怖くなる 俺は窓を閉めると部屋をでる 下からはテレビの音が聞こえてくる 多分母さんとばあちゃんが居間でテレビを見ているんだろう 俺は階段を降りて居間に向かう 予想通りばあちゃんと母さんが二人でテレビを見ていた 「あら、チカ起きたの?」 母さんに声をかけられる 「うん…おかえりなさい」 俺は母さんに声をかけると母さんの隣に座る 「ただいま」 「今日はなんか元気ないんじゃない?」 痛いところを疲れた気がした 「そんなことないよ」 「いつもと一所だよ」 宿題―父さんの事を考えていたからちょっと元気が無いように感じられたのかもと思い誤魔化す 母さんは父さんの話をしたがらない だから俺もその話には触れないようにしている
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