別れへの…

19/34
前へ
/34ページ
次へ
外に出ると冷たい風が吹き付ける 家に戻って上着とマフラーを持ってこようかと思ったけどスーパーは近い 冷たい風の吹くなか俺は歩き始めた   今夜のおかずの事を考えながらぼーっと歩いていると気がつけばスーパーの前まできていた このスーパーは母さんが昔働いていたスーパーで大将の母さんも働いている 自動ドアを通り抜けると少し暖かな空気に迎えられる 生モノを扱うから暖房は強く無いけどやはり外よりは暖かい 子供の頃から良くお使いにきているから醤油が何処に置いてあるか位はわかる 俺は調味料の棚から醤油を取るとレジへと向かう 会計をすませると手にビニール袋を下げ店を出る 「あら千景くん…今日もお使い?」 突然声をかけてきたのは大将の母さん…陽子さんだ 「こんにちは?…こんばんはかな?」 微妙な時間帯に会ったので俺は首をかしげてしまう 「う~ん…こんばんは」 ソレをみていたおばさんは挨拶で答えを返してきた 「今、お仕事終わったんですか?」 俺は適当な話題を出してみる 「そうねついさっき終わったばかり…お母さんは元気?」 大将の母さんと俺の母さんは友達どおしだけど最近は母さんとは会っていないみたいだ… 「はい、まぁ元気です…」 俺はふと寂しくなる 「そう…今度またお茶しましょ、って言っておいてもらえる?」 「わかりました」 返事を聞くとおばさんは近くに停めてあった自転車を出してまたがると 「ありがとう、もう暗いから気をつけて帰りなさい」 そう言って帰っていったみたいだ 俺はそれを見送ると俺も家へと歩き始める
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加