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俺達が二人の世界を作ってるとき、邪魔してきたのは俺の意中の羽柴シンの友達の鈴木くん。
正直、シンといつも二人でつるんでるから羨ましかったんだ。
でも、両想いになったんだからもう関係ないけどね。
「す、すいません! こいつが気分悪いらしいんで保健室つれて行きます!」
そう言うなり、シンは俺の腕を掴んで教室の外へ。
たぶん、意識してないだろうけど、こういう触れ合いはかなり嬉しいよ、えへ。
「どこ行くの?」
「誰も邪魔が入らない場所」
そう言って腕を掴んだまま、先を行く。
歩きにくいんだけど、この手が離れるのが嫌だからこのままついていく。
「で、こんなとこまで連れてきて、ナニしちゃう気?」
「なんか今ヤらしく聞こえたけど気のせいか?」
10月末の屋上は寒くて、二人で肩を竦めた。
この寒さじゃ、ヤらしいことしたくても風邪引いちゃうし、キスくらいだよな。
「別にぃ~。それよりさぁ、俺達って恋人になったの?
「あのさ…俺が男だってわかるよな?」
「わかってるよ。でも、シンは俺とキスしたかったんでしょ? それって俺が好きなんだよね? 両想いの俺達はそういうわけで恋人に…ってことでいいんだよね」
内心勘違いだったらどうしようって不安になりながら聞いたけど、それは顔に出さずに笑って言った。
「簡単に言うんだな。俺の告白だって、お前にとっちゃ簡単に聞こえたかもしれないけど…」
「簡単なわけない! 軽く見えるかもしれないけど、俺いつもシンを見てたんだよ? 告白されて嬉しかったんだよ?」
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