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『俺は何がしたくて過去に戻ってきたのでしょう?』
素朴な、しかし核心を突いた質問を自分に投げ掛けてみた
答えは1つ
―あれ、中々出て来ないぞ
あぁ、そうか
俺…友達を作りに過去へ来たのかな?
曽根田への告白から始まったこの物語
きっかけは恋だったが
一番欲しいモノは友情だった
それに、俺は野球を辞めてテニスを始めたからこそ
曽根田と知り合うことができた
曽根田と話すことができた
曽根田のことを好きになることができた
畜生…何でこんな単純なことに気付かなかったんだよ
とめどなく流れる涙が
胸に抱いている後悔を更に大きくした
遂に耐えきれなくなって
フェンスから身を乗り出して楽になろうとする
すると
「元の時代に帰ろ?」
聞き覚えのある
綺麗な声がした
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