プロローグ

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『番組の途中ですがニュースをお伝えします』 辛うじて残っている幼い頃の記憶。淡々と、原稿用紙とカメラとを交互に見ながら語るアナウンサー、それを眺める少年の目にはゲームのラスボスより怖く見えた。  何より大好きだったヒーロー番組の、しかも変身シーン寸前のテンションが最好調に達する場面で突如流れた臨時ニュースは小3の少年にとって余りに衝撃が強すぎるものだった。  君はすべてを失ったよ、と痛く残酷にかつ無機質に伝えてくれたものだった。 『○○航空セントレア発バンクーバー行き737便が先程、離陸後間もなくして太平洋に墜落しました。現在、生存者は確認されておらず詳細は・・・』 .
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