プロローグ

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『黒』 それはすべてを染めてしまう色。 『黒』 それは深く果てしない闇の色。 『黒』 それは―――― 少女は車にゆられていた。 見たことのない道。 地面はアスファルトで整備されていて、さほど激しく揺れるようなことはない。 そんな道を少女を乗せた車は走っていた。 空は青く雲も少ししかない――まさに快晴だ。 こんな空は見たことがある。 やはり道路などとは違い、青空は全国共通おんなじ顔でおんなじ優しさで見守ってくれているのだろうか。 いや、例え曇り空だったとしても同じだろう。 少女はそう思うとホッと安心した。
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