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中学卒業を控えていたこの時期、俺は誰とも関わりたくなくていつも行く古びた公園にいた。
この公園は小学五年の時に来て以来、人気も少ないのと誰にも会わないから1人になるにはもってこいの場所だった。
だけど…つい最近視線を感じている
自意識過剰だろって自分を戒めて気にしないようにしていたが…。
絶対こっち見てる。
俺はため息をついて、振り返った
その子は俺が見ると同時に顔をそらし歩き始めた。
もうこんなことが5日続いている。
それでもこの公園に来てしまうのは、もう癖みたいなものなんだろう…。
さっきからマナーを守っている携帯が右ポケットでなり続けている
だいたい察しはつく…
親からのラブコールだ。
「もしもし」
『あ、真二?お母さんだけど…今日も帰らないから戸締まりだけはちゃんとしときなさいよ?』
「わかった」
携帯を切り、またため息をついた。
「用件だけ言って切りやがって…」
ベンチから腰を上げて、家に帰ろうと振り向いた。
「…っ」
さっきの子だ…。
「あっ…あのっ…小崎さんですかっ!?」
「なんで俺の名前しってんの…つか、なんでこの子いんの、なんで俺を知ってんの」
人と関わるのが苦手な俺は蚊の鳴くような声でブツブツと喋っていた。
「私っ…水樹マコトです」
ブツブツ言っていた俺は口を止めた。
「あなたに…会いに来ました」
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