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浅井恭子と真島俊之
恭子はマコトの手を掴むと笑って言った
「今日はうちに泊まっていいよ」
「…えっ?いいんですか!?」
「うんっ、それに真二のこと知りたいんでしょ?」
マコトは恭子の掴んだ手を見ながら恥ずかしそうに頷いた。
部屋に入ると回りを見渡してキョロキョロするマコトを見て恭子は微笑んだ。
「可愛いね、お人形さんみたい」
「あぅ…」
恭子は麦茶をマコトに差し出すと話し出した
「真二とは幼馴染みなの…と言っても真二は心を開こうとしてくれないし、なに考えてんのかもわかんない。ただ言えるのはそんな悪いヤツじゃないってことだけかなっ…態度とかはムカつくときあるけどね」
そう笑って話す恭子にマコトは少し悲しそうな顔をした。
「恭子さんは…小崎さんのこと…好きなんですか?」
「いきなりだねっ」
恭子は麦茶を飲みながら言った。
「好きって言うか、ほっとけないだけだよ」
「ほっとけない…」
「うん。マコトちゃんは真二のこと好きなんだね………って…もしかして片想いだけであんな行動を!?!?」
恥ずかし気に下を向くマコトをみて恭子はまた笑った
「凄いなぁ…そんなに好きとは…マコトちゃんも物好きだねぇ~」
「あのっ…小崎さんて…彼女いるんですか!?」
下を向いたまま聞く。
「まさかっ…いないよ。関わろうとしないのに彼女なんてそれこそ!」
恭子の言葉に安心したマコトは肩の力を抜いた。
それから他愛もない話をしていくうちに2人の仲は深まった。
「こんな時間だし寝よっか!マコちん!」
「やっ…やめてくださいよぉ…その呼び方」
マコトがそう言って笑うと恭子は可愛いと飛びつき、言うわでもなく、その夜は抱きつかれたまま眠りについた。
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