小犬パニック 1

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「雪さ~ん!作ってほしい薬があるんやけど!」 雪が振り返ると、そこには雪より一つ年下の風香がいた。 風香は薄い茶色い短い髪にちょっとクセが入っていて、前髪を3:7に分けた女の子である。 見た目は普通そうな子だが、モノマネとか変な事が好きで、最近ではいろいろな地域で昔から伝わる方言に興味を抱いている。 どこかで面白いと思う方言や言葉を話している人を見つけたら、その人の口調をマネすることが多い。 一部からはその言葉を誇りに思っている人に失礼だと怒られるが、風香はそんなことを気にせず使い続けている。 風香はよくこの部屋に訪れる、数少ない常連客の一人だった。 薬の開発で有名な雪はよく依頼が来る。 しかし、この部屋に入るのは気味が悪いからと言って、雪が部屋から出たときに頼む人が多かった。
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