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「ずっと、待ってた。あの日、マリアと出逢ってから毎日来たんだぜ?! 待ってたんだぜ?!」
「ごめんなさい! 私! 私も貴方を想ってました! でも! どうしても出られなくて!」
「マリア!」
「大輔さん!」
力強く抱きしめられて。
そのまま、川の水の中へ。
浅い川に私達は潜るように、抱きしめ合ったまま沈み込む……。
聞こえるのは、川の流れる音と大輔の心音……。
川の中、私と大輔は見つめ合って……。
お互い惹かれ合うように唇を重ねた。
四回もの季節を巡った分、お互い逢えない辛さが募って。
その鬱憤を晴らすように、長く唇を重ねていた。
深く交わす唇に隙間はなく、川の流れさえ私達を妨げることは出来ないでいる。
二人だけの空間。
共有する想い。
それがわかっただけで、私は嬉しくてまた涙を流していた……。
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