勧誘

10/16
前へ
/465ページ
次へ
先成「すまない。さっき電話番号を聞きそびれたんだ」 純「盗撮はやり過ぎじゃね?」 先成「それも悪かった。スキンシップとして受け取ってくれ」 純「犯罪がスキンシップかよ。 もういいや。それで?用件は何だ」 先成「うん。バイトの内容を詳しく説明したくてね。君はしようとは考えたか?」 先成は期待を込めた口調で話す。 よほど、純にそのバイトをして欲しいようだ。 純「そのバイトで、いくつか質問がある。答えようによって、俺がバイトするかどうか決まるからな。 まず、指名した奴と喧嘩するらしいけど、俺は理由がなきゃ喧嘩はしねぇぞ?てめぇの好き勝手で、喧嘩すんのは嫌だ」 先成「うん。その点は問題ない。俺も正当な理由無しに、指令は出さない」 純「そうか。じゃあ次の質問なんだけど、当然の質問だが…時給はいくらだ?」 先成「それなんだけど、俺の指令を遂行したら金を渡す事になってるんだ」 純「………。そいつは…微妙だな。指令が中々来なかったら……」 先成「ははっ。俺がそんな事も考えずに、勧誘するワケないだろ? 今まで、平均して一ヵ月に二回は指令を出している。後、指令が無い月があった場合、特別に給与されるから安心しろ」 先成は純の疑問を遮り、一気に言った。 純「ふーん…。そっか。金の心配はねぇ…と。 じゃ、次な。指令を出す奴って…誰だ?」 先成「……何でそんな事を聞く?」 純「普通疑問に思うだろ。喧嘩するのがバイトだぜ?その司令官は、何で俺を雇うのか?その目的は?金はどこから出してる?」
/465ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12136人が本棚に入れています
本棚に追加